論文レビューメモ

オープンアクセスの論文を一つのテーマに沿って3本ピックアップし、まとめています。2024年は生成AIを論文の執筆や解釈、まとめにどう使えるかを試していきます。

"Ropy" 乳酸菌と宿主への健康効果

乳酸菌の菌体外多糖については古くから研究が行われている。乳酸菌の菌体外多糖を表す言葉には"slimy"とか"ropy"という言葉があって、どろっとしていたり、糸を引いたりする特徴が以前から確認されている。Lactococcus lactis subsp cremorisがよく研究されている印象だけど、乳酸菌の菌体外多糖は腸管との交互作用の点で重要な働きをしていると考えられているので、他の属・種でも結構研究報告がありますね。

というわけで、今回選んだ論文3報はこちら。

1. Martín R et al., Over-production of exopolysaccharide by Lacticaseibacillus rhamnosus CNCM I-3690 strain cutbacks its beneficial effect on the host.

www.nature.com

2. Lee MG et al., Potential Probiotic Properties of Exopolysaccharide-Producing Lacticaseibacillus paracasei EPS DA-BACS and Prebiotic Activity of Its Exopolysaccharide.

www.mdpi.com

3. Yamane T et al., Exopolysaccharides from a Scandinavian fermented milk viili increase butyric acid and Muribaculum members in the mouse gut. 

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666566221000332

 

ChatGPT (September 25 Version) による3論文の要約のまとめはこちら。

これらの3つの論文は、微生物の多糖類(EPS)生産とその生物学的機能に関する重要な課題に焦点を当てています。論文1では、Lacticaseibacillus rhamnosus CNCM I-3690株のEPS生産が抗炎症効果に与える影響が調査されました。EPSの増加は、細胞の付着能力や腸内の透過性を低下させ、抗炎症プロファイルを損なうことが示されました。これはEPSの生産量が微生物株の効果に影響を与える可能性を強調しています。

論文2では、Lacticaseibacillus paracasei EPS DA-BACS株のEPSがその健康効果とプロバイオティク活性に焦点を当てました。このEPSは、多糖類としての健康効果を持つ「ropy phenotype」を示し、抗酸性や腸内ストレスへの耐性を向上させ、Clostridium difficileなどの微生物の成長を抑制しました。また、抗炎症効果とプレバイオティク活性も高かったことが明らかにされ、EPSの生産は微生物の機能に有益な影響を与えることを示唆しています。

論文3では、viiliのスターター文化に含まれるLactococcus lactisによって産生されるEPSが腸内微生物叢に及ぼす影響が調査されました。この研究では、EPSの補充により、特定の微生物の相対豊度が増加し、便中の酪酸の相対豊度の減少を防止する効果が示されました。これは、微量のEPSが腸内微生物叢を調整し、腸内環境に影響を与える可能性を示唆しています。

総括すると、これらの論文は微生物学におけるEPSの生産とその生物学的役割に焦点を当て、EPSが微生物の機能や健康効果に与える影響を詳細に調査しています。EPSの量や特性が微生物株の機能に影響を及ぼすことが示され、微生物学における新たな理解と応用の可能性を示唆しています。

※バージョンが上がっていっているけど、ChatGPTが賢くなってるのかなってないのかちょっとわからない。。。

 

今週も最後までやり切れなかったので、来週に持ち越し。同じペースで継続するのはやっぱり難しいものですね。

 

以下はまとめを作るためのメモ

1. 腸管内乳酸菌として旧Lactobacillus属はよく研究されている。その中でもLacticaseibacillus rhamnosusはよく研究されている種の一つ。腸管との相互作用は細胞表面にある分子が重要で、菌体外多糖(EPS)はその成分のうちの一つ。細胞壁にくっついて離れない多糖と環境中に放出する多糖があって、どちらも曳糸性の表現型と関連がある。EPSをたくさん作る株と作らない株で抗炎症作用への影響を評価した、という研究。EPSの産生能が異なる株をとってきた、というんだけど、元の株CNCM I-3690の変異体を作るステップが記載されていなくてよくわからないな。何かしらの方法で変異を入れたんだろう、きっと。72**がEPS生成株で73**がEPS非生成株。EPS非生成株は抗炎症作用を示し、EPS生成株は抗炎症作用を示さなかった。これは意外。

EPS産生に影響のある遺伝子を調べてみたけど、よくわからなかったみたい。というか遺伝子の変異が入っているということだからなんか変異原処理をしたんだよな、きっと。もしかして、CNCM I-3690株のコロニーの中でEPS生産の強弱をみたってことあるのかね。うーん?

過去にはL. plantarumとかBifidobacterium longumではEPS産生株が抗炎症作用を示しているという報告があるだけど、今回はそういう結果にならなかった。種によってEPS産生能が与える影響は変わるのかもしれない。あと線毛の有無も影響してそう、という結論。EPSをたくさん作るだけでは効果がないみたい、という考察でした。