論文レビューメモ

オープンアクセスの論文を一つのテーマに沿って3本ピックアップし、まとめています。2024年は生成AIを論文の執筆や解釈、まとめにどう使えるかを試していきます。

ChatGPTでグラフィカルアブストラクトを描く

このブログを始めたときの意欲的な更新頻度と比べると随分緩くなっていますが、引き続きやっていきます。 前回Diagramsを使うと良さそうな感じだったので、こちらで一度やってみる。 Diagramsのプロンプトの例でSequence diagram explaining internet、とい…

ChatGPTで図を書く

引き続きAIで図を書いてみる試み。 「なんとなくこんな感じのイメージ」という図は描けても、「この論文に書かれている事実に基づいたイメージ」を書くのはまだ難しいのかなという印象だけど、どうでしょうか。 そこで細かく指示を出したらどうなるかしら?…

グラフィカルアブストラクトをAIに描いてもらう (4)

いろいろと慌ただしく中途半端になってしまったこの取り組みを再開。 ChatGPTもバージョンアップされている中で、他の描画ツールも試してみつつ比較してみます。以下の手順で出力してもらいます。 言語は日本語でお願い 論文のグラフィカルアブストラクトを…

グラフィカルアブストラクトを書いてもらう (3)

ChatGPTにグラフィカルアブストラクトを書いてもらう、ということをやっています。 今週は先日題材にした論文の内容を一旦こちらで解釈し、グラフィカルアブストラクトに含めてらもらうChatGPTに伝えて生成してもらう、ということをやってみます。 <以下プ…

グラフィカルアブストラクトを作る(2)

今週も引き続きグラフィカルアブストラクトをChatGPTに作ってもらおう、という試み。今週はChatGPT4で使えるAcademic Assistant Proにテーマを与えて書いてもらった原稿を読ませて作図する、ということをしてみます。 今回選んだテーマは「グルタミン酸発酵…

ChatGPTでグラフィカルアブストラクトを作成する

今年は論文に関する学術活動にChatGPT-4をどう使えるか、どう使うのがいいのかを試してみます。 ChatGPT-4では専門性を高めたAIが提供されているので、それをいくつか試していきたいなと思っています。そこでまず手始めに、最近論文投稿時によく求められるよ…

3週連続でスキップ中

ChatGPT4.0が使えるようになったので、グラフィカルアブストラクトにまとめる、というという取り組みを始めようと思っています。 試しに自分の論文のグラフィカルアブストラクトを描いてもらいましたが、論文で示した内容や結果は特に盛り込まれません。 い…

今週は別件

今週は別件の調査課題がありまして、お休み。 ChatGPT4にアップグレードしようと思ったら、順番待ちなんですね。

食品科学で最も注目されるトピック2023

Perplexity AIとChatGPTを組み合わせた論文レビューの方法について実験中。 Perplexity AIで漠然としたテーマを投げて、返ってきた答えに沿って論文を探してChatGPTでまとめてもらう、という流れで試す。 今回のテーマは「2023年で食品科学分野で最も注目さ…

新規抗生物質の見つけ方

今週も新しいやり方を試してみます。 今週のテーマは「新規抗生物質の見つけ方」。 Perplexisy AIに投げてみると、こんな回答。 新しい抗生物質を発見する方法 新しい抗生物質を発見することは、厳格な科学的研究と開発を必要とする難しい過程です。このプロ…

未知の糖または糖派生物の同定方法

多糖の構成糖を知りたいのだけど、なかなかうまくいかない。 というわけで、Perplexity AIに文献を集めてもらうとこんな感じ。(回答をChatGPT3.5で翻訳) 未知の糖類または糖誘導体分子の化学構造を特定することは、それらの複雑な構造と複数の官能基の存在…

EPSが曳糸性を示す理由

EPSが曳糸性を示す理由として構成糖の特徴があるのかなと推測していたけども、改めてこれについて情報収集。 Perplexity AIに聞いてみると答えはこんな感じ。 ※Perplexity AIの答えをChatGPTで翻訳したもの 乳酸菌(LAB)によって生成される外部多糖(EPS)…

ガラクトースとグルコースで構成される菌体外多糖の健康効果

かなりピンポイントなターゲットだけど、今回はこちらのテーマで論文を検索。 ガラクトオリゴ糖は日本ではトクホ成分として認められているけど、ガラクトオリゴ糖の規格が製造方法を含めてガッチリ固められているので、ガラクトースとグルコースを含む菌体外…

今週もお休み

別件の調べ物があり、今週も論文レビューはお休みです。 来週からは論文の選び方を変更しまして、Perplexity AIを使って論文を選び、まとめを作ってみることにします。Perplexity AIとChatGPT、そして私の3者のまとめ方の違いを比べてみることにします。 Per…

"Ropy" 乳酸菌と宿主への健康効果 (2)

先週からの続き。今週まとめるのはこちらの2報 2. Lee MG et al., Potential Probiotic Properties of Exopolysaccharide-Producing Lacticaseibacillus paracasei EPS DA-BACS and Prebiotic Activity of Its Exopolysaccharide. www.mdpi.com 3. Yamane T …

"Ropy" 乳酸菌と宿主への健康効果

乳酸菌の菌体外多糖については古くから研究が行われている。乳酸菌の菌体外多糖を表す言葉には"slimy"とか"ropy"という言葉があって、どろっとしていたり、糸を引いたりする特徴が以前から確認されている。Lactococcus lactis subsp cremorisがよく研究され…

未同定成分の質量分析を用いた同定方法

代謝産物の成分分析をLCとかGCとかでやると、よくわからないピークって結構出てくる。大抵の場合、やろうとしている研究テーマで分析対象とする代謝産物はすでに決まっているから、よくわからないピークは無視するけど、ひょっとしてこの中に何か生理学的な…

今週もお休み

このところお休みする週が多いな。

Lactiplantibacillus plantarumの表現型の多様性

植物由来の乳酸菌として最も有名、といっても過言ではないだろうLactiplantibacillus plantarum。株によって栄養要求性、資化性、免疫調整機能、酸・酸素耐性、生育速度、その他もろもろ表現型に多様性があることが知られているけど、実際のところどれくらい…

今週はお休み

3ヶ月近く続けてきたけど、今週は講演原稿を作るためにお休み。情けなし。 どこかで2本分の論文まとめを書くことにします。 週末を使って最新論文を読む、というのは結構仕事にも生きているなと言う実感がある。毎日100本近く論文を読む、みたいなことはとて…

ヒトの腸内細菌叢と健康と疾患(2)

先週読みきれなかった論文2と3を今週読んで、3本をまとめます。 先週読みきれなかった論文2と3はこちら 2. Kouidhi S et al., Gut microbiota, an emergent target to shape the efficiency of cancer therapy. www.explorationpub.com 3. Watson AR et al.,…

ヒトの腸内細菌叢と健康と疾病

腸内細菌叢と健康や疾病との関連は多くの研究がなされているところだけども、研究成果を踏まえて医療につながっている例はほとんどないという認識。 腸内細菌叢を糞便移植で再構築するという試みがあるけれども、広く一般的に行われている治療というよりも、…

漬物と香りの成分

講演が来月に迫ってきているので、関連する研究を基礎知識としてフォロー。漬物と香りの成分についてまとめておく。 自分がやった研究と重なる部分もあれば、重ならない部分もあるので、自分なりの解釈をまとめておいた方がいいだろう、というのが今回の目的…

乳酸菌が作る菌体外多糖の構造

乳酸菌が作る多糖は仕事でもちょいちょい調べているんだけども、改めて最新の報告について眺めてみようと思って論文をピックアップ。多糖そのものにどんな種類があるのかというところの情報収集。 乳酸菌の菌体外多糖に関する研究は、多糖の構造か、多糖の機…

de novoタンパク質デザインとAlphaFold2

タンパク質の構造や機能予測を目的とした研究経験はないのだけれど、バイオインフォマティクスによって研究が飛躍的に進展した分野の一つという認識。タンパク質は立体構造が分かれば機能を推定することが可能になるので、立体構造の予測はタンパク質研究の…

持続可能な食糧生産(2023年の認識)

持続可能な開発、という目標自体は30年以上も前からずっと言われてきたことだけれど、結局それが具体的になんなのか、と言う答えは誰もわからないまま今日に至る、というのが私の理解。それぞれの国が、それぞれの企業が、それぞれの人が今与えられた条件を…

グルテンフリーと代替物

北米・欧州の人にとっては結構深刻な問題となっているグルテン関連疾患。アジア人にはほとんど影響ないので、ピンと来ないところはあるけれど、患者は増加する傾向にあることが予想されている。セリアック病やアレルギー等の健康上の理由からグルテンフリー…

コリネ型細菌の代謝改良による物質生産

生き物である微生物を工場とみなして、代謝経路を改変し人にとって有用なものを作らせる、という発想はとても西洋的・合理主義的な感じがする。生きとし生けるもの、そのままの有り様を尊重してみんな違ってみんないい、とはちょっと遠いところにあるよね。 …

代謝フラックス解析

博士課程の学生だったころ、プログラマ/エンジニアとしてのキャリアと発酵工学・代謝工学研究者としてのキャリアの重なるところが自分の強みを活かせる領域かなと考えていた。いわゆる「バイオインフォマティクス」がそれに当たると思っていたが、その中で…

自発的発酵と伝統食品

自発的発酵を利用した伝統食品について。人類の長い歴史の中で食料の確保は最大の関心事。発酵は食料の長期保存を可能にした、か、もしくは勝手に発酵してたまたま食えたか。発酵食品が合わなくてお腹壊したり、食中毒っぽくなってしまう人もいたんだろうな…